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人が神に出会った瞬間の、一つの実話


※こちらの記事も、自身のアメーバブログからの転載(改修)です。

今回は、ぼかしながらでも大切な方のお話なので

あえて「不思議なものについて(よもやま話)」の

カテゴリに入れずに、お話したいと思います。

トランスサタニアンを運命の3女神(仮)に例えて

モノを見ているモーネルですが

子供の頃にご本人達から聞いた「実話」が

自分の精神の根底にあるのだろうと思います。

ある村に生まれた一人の兵隊さんのお話です。

敬意をもって、帝国軍人とお呼びしたいのですが

ちょっとお話のニュアンスがズレてしまいますので

以下、兵隊さんと呼ばせていただきたいと思います。

その兵隊さんにはお嫁さんがいました。

家同士の決め事で一緒になったお嬢さんです。

当時の風潮やその兵隊さんの性格は

「軽薄」であってはならないという方向性で

恋愛もしたことがない方でした。

ところが、結婚式ではじめて会ったお嬢さんは…

内外ともに可愛らしく、賢く、優しく、働き者…

非の打ちどころのないお嬢さんでした。

自覚なき一目ぼれとか

運命の相手って感じだったのでしょう。

当時の結婚は同居が普通ですから

嬉しさに顔が緩むのを隠すため

兵隊さんは必死にナニカと戦うことになりました(笑)

で、つい、お嫁さんにキツく当たっていました。

ツンデレすぎる微妙な生活の中、戦争がはじまります。

日本はいよいよ劣勢となり

長男(嫡子)である兵隊さんにも赤紙がきました。

田舎の名家だったので、インチキ診断書を出せば

兵役から逃れることは簡単でした。

でも、兵隊さんは家族の反対を押し切り

養子になってまで戦地に行きました。

もちろん、遺書を残して。

世界の植民地から「神の軍隊」と称賛された

誉れ高い帝国軍の、しかも海軍に入れたことは

兵隊さんにとって「最高の死に場所」でした。

戦艦に乗り込んで何日も後…

戦友たちとともに見たのは

信じがたいほど美しい、大海原の朝焼けの景色でした。

島影も見えない、静かすぎる凪の朝の海原。

南海の朝焼けはバラ色よりもっと赤く、また淡く…

雲は不思議なまだら模様になって

水鏡のようになった水面にそのまま映りました。

死地へと向かう戦艦だけが

上下左右、360度、その極楽浄土のような

「色(象)だけの世界」に浮かんでいる…。

全員が甲板に飛び出して

この世のものとも思えない景色に打たれ

涙を流しました。声を出して泣く人もいました。

どうして泣いたの?と、幼かった私は聞きました。

大人であれば「死ぬのが悲しい」「怖い」などと

勝手に理由を推測し、決め込みますが

子供はちゃんと質問するのでエライですねw

兵隊さんは「故郷(おくに)や妻子の顔が浮かんだ」

からだと教えてくれました。

悲しく、怖くなったのではない。

愛とはこれかと知ったからだ、と。

自分がいかに愛していたのかを知ったからだ、と。

それは、人が神と出会った瞬間だったのだ…と

言葉の外で言っていたのだと

私が理解できたのは中学生になった頃でした。

そして数日後、その戦艦は激戦地に突入し

全艦沈没したと新聞で公表されました。

兵隊さんのお嫁さんは、死んだと思いました。

…が、その兵隊さんは生きていました。

最後まで頑固な真面目さを捨てきれない兵隊さんと

あと数人の戦友さんはやれませんでしたが

他の仲間が、沈みゆく船の上で

フンドシを白旗代わりにして振り回したのです。

だからといって、べつに降参したわけではなくて

どこかの島へと生還できたら

まだまだ戦うつもりでいました。

熱帯の海はサメ(ふか)の巣のようなものですから

兵隊さんたちは肩を組んで大きな魚影のように見せ

島に辿り着くまで7日間泳ぎ続けました。

その途中、サメに襲われて

数人の戦友が目の前で消えていきました。

浜辺に辿り着き、みんなで大声で泣きました。

そして、捕虜になり、再び

1日に何人も死ぬような過酷な状況になりましたが

それでも兵隊さんと戦友さんたちは励ましあって

最後まで生き抜き、終戦後に帰国します。

あまりにやつれた様子に、庭先に立つ兵隊さんを

お嫁さんは「幽霊かと思った」そうです。

昼間にも関わらず出てきたので

へんな幽霊だなぁ…と思っていたら

「ただいま、帰りました!」と大声で言い

ビビっと敬礼をしたものですから

お嫁さんは返事もできずにただ泣きました。

その後の兵隊さんは、不器用なりに

お嫁さんをうんと大切にしました。

「最近のお米は甘くておかずにあわない…」

とお嫁さんがポソリとこぼすと

兵隊さんの田んぼは流行おくれのお米を

沢山つくる田んぼになりました。

捕虜になっていたため

終戦の詔のラジオ放送を聞いていなかった

ものですから、七生報国を胸に

「故郷(おくに)のために!」と

あぶれていたゴロつきを教育して回ったり

開田して必死に米作りに励んでいました。

ルーペでコメの出来の良しあしを

真剣に見る兵隊さんの横顔は

今でも忘れることができません。

モーネルはLGBTのはしくれですが

その武骨さも含めて「かっこいいなぁ~!」って

なにかと一緒にいたがりました(笑)

それでモーネルは、色々なお話を聞く機会が多かったのです。

兄弟や従弟たちはゲームや本のほうがいいとして

あまり兵隊さんに近づかなかったようです。

「怖いからヤダ~」って。

でもモーネルは、背中を向けた後

ふふっと笑う兵隊さんの横顔を

農耕車の荷台からチラっとみるのが大好きでした。

疎開してきた人たちのために…と

お嫁さんも鶏舎をやり、卵やお肉を配りました。

着物なんかいらないって言っても

当時の奥様たちは、渡して来るんだそうです。

そして、戦友さんたちもそれぞれに生活しました。

一人はある港の生まれだったのですが

「俺はもう船のない人生では生きられない」と言って

周囲の反対を押し切って巨額の借金をし

当時珍しかった巨大フェリーを買いました。

全艦沈没し、仲間がサメに食われた

壮絶な海での体験があったのに…。

「俺は海でないと生きていけない」

というのが絶対の戦友さんの意志になっていました。

不思議ですね…

男性なら「わかる!」って言うのですが

私は半分くらい、もや~っとわかるだけです。

(占いで見れば見れますが、人の話ですから…)

船乗りの家の人でもない、商家の子だった人ですから

猛反対されまくったのですが

「俺は海が好きだ、俺は船乗りになる」

と、絶対に譲らず、でーっかいお船を買って

商売を始めました。

そしてみるみる大成功し、すごい富豪になりました。

その港はとても大きくなりました。

おくにのために…だったんでしょうね。

(永遠のゼロに出てくる富豪のモデルの方だと思います)

数年ごとに、各々の家を戦友同士で訪問する時

夏でもビシっとした黒スーツで現れる

兵隊さんたちは、とても立派で優しい人たちでした。

ビールを飲みながら、歌ったり、涙を流したり…笑ったり。

母なんかよりも、ずっと優しい手で撫でてくれたりしました。

お邪魔だから…ね、と、子供だった私は

隣の部屋で遊ぶよう言われた後も

木戸のこちらがわから、忍びのようにお話を伺っていました。

一番明るい声のあの人が、大社長さんになったのだと

知ったのはその数年後でした。

たしか、お嫁さんあたりから聞いた気がします。

この世のモノとも思えない、バラ色の世界に浮かぶ軍艦。

トランスサタニアンが3人そろって顕現した

瞬間だったのだろうと思います。

モーネルはささやかな神様?とはよく関わりますが

運命の3女神がそろって、ナニカの意思をもって

それだけ大勢の前に顕現したのは…

とても珍しい「実話」だと思います。

極楽浄土へのお迎えとして、いくつかの奇跡を手土産に…。

トランスサタニアンの世界などの記事で

書いてきた「契約」と「報酬」というのがわかりやすい

事例であり、そしてシャーマニズムというものが

役立つのは人生をかけて戦う人…ということも

伝わりやすいお話だったので、記事にしました。

運命の3女神がこんなに優しい作用を

死にゆく兵隊さんたちに与えていたこと…

そして、それを真正面から受け止められた男こそが

再び船に乗って、大社長になったこと…。

人生の転機などに1人が出てくるとか

不思議なモノとして出てくるのはよくあること

なのかもしれませんが…

私も見てみたいけれど、その資格(理由)がないので

きっと一生無理でしょうね~🍵

神のチカラに大きく包み込まれるって

いったいどんな気持ちになるのでしょう…

想像もつきません。

当時の日本人は、それにふさわしい

人たちだったのだろうと思います。

爽やかさと強さと誇りを持っていた

あの世代だったからこそ…

「人間の光」をりんりんと放っていたから

神に包まれて…後のこともそうなんでしょう。

ある噺家さんは「私は噺家だ」と最後まで言い続け。

兵隊さんは「私は帝国軍人だ」と…。

一見、反戦バリバリの方と軍人の誇りを持つ人とで

まったく正反対のように見えますが

おのが人生をまっとうすることにおいて

まったく同じ道すじを辿っておられます。

好き勝手やってるように見えるかもしれませんが

私も…一応、目標はありまして

死ぬまで「占術師」として

ダレカの役にたとうと思っております。

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