大アルカナの意味 ⑱月
「⑱月」のカードが指す時間帯は「真夜中~夜明け前」で
実に奥行きのある意味を持ちます。
「⑮悪魔」の続きでもあり「⑰星」の続きでもあるので…。
なので、吉凶や善悪だけでこのカードを解釈しようとすると
意味がほとんどくみ取れずに終わってしまいます。
お若い方には単純な出方をすることが多いですし
年配者の方には実に味わいのある、優しい出方をする
そんなこともよくあります。
ひとことに「月」と言っても、新月から満月もあれば
真昼の月もスーパームーンも月蝕・日蝕もありますので
当然、解釈もデッキ次第でずいぶんと
意味が違ってくるカードなのだと思います。
ちなみに西洋占星術ですと
月の遠隔点や軌道の交点なんかも見ます。
「宿命」に関する重要な「ホシ」の一つです。
本当は、ぜんぜん光ってないんだけどw
別世界を意味する二本の柱や門のモチーフが
ここでも出てきますが、そこを道が通っているのは
このカードだけです。
別世界や未知の世界へと続く道の途中に
どう見てもザリガニな蠍の絵が描いてありますw
狼(ジャッカル?)の絵も描いてありますね~。
中央アジア~エジプト的なイメージです。
一方、目を閉じて、しっとりと月を抱く女性だけが
描かれているカードも(近年の作品)出ています。
西洋的な月の解釈だと思います。
どちらも「危険や嘘」を示しているのは従来どおりなのですが
「敵意や障害」を表現したものとしないものがあるようです。
モーネル的には「夜、見えないものを照らすもの」
という解釈でほぼ共通するのかな…と思っています。
月自身は光を放つものではないのですが
宿命や生命(太陽)の光が、暗い世界にあるものを
優しく照らしてくれる、または見せつけるような。
自分では気づかなかった(見たくなかった)
宿命的(原始的)な何かを見せてくるものでもあります。
絶対に話し合えない相手(天敵)のような存在なんて
考えたくもないのが普通ですもんね~。
自分の中の醜い部分とか、説得不可能なライバルとか
愛しい人のひどい嘘などに触れた時
初めて自分の根本的なものが
ハッキリと正体を現してしまうものです。
雪が降ると、世界は美しく覆われます(隠されます)が
月が輝くと、世界は実際の姿を照らします(表面化されます)。
障害(トラブル・嘘)を仲介者として
目覚めの時(夜明け)に近づいているようです。
「⑰星」や「⑯塔」から月の世界に来た人は
「メイク前の女優さんを見てしまった!」という感じですが
その女優さんは、いったい誰なんでしょう?
そこに注目するとリーディングが容易になる気がします。
メッキが剥がれるのは、お互い様かもしれません。
月(思い出)が眩しすぎると
遠くから見てあんなに恋しかった故郷が
実際に帰ってみると、ほかの町よりつまらなく見えたり
してしまうのかもしれません。
それは、いったい誰が「変わった」せいでしょう?
そこに気づけた人は「⑲太陽」の世界に近づいていきます。
一方で「⑮悪魔」から月の世界に来た人は
「辛い思い出・記憶に支配されたままの人」は
悲しみや恨みの世界で悪夢を見ている最中かもしれません。
きっと「新月」や「昼間の月」で
あまり現状把握に役立たない「月の状態」なのでしょう。
もうすぐ朝になるのに、まだ気づいていないようです。
永遠に分かり合えない相手、しかも終わったことを
ぐるぐる考え続けるノイローゼ状態の場合、
嫌でも頭に浮かんでくる「敵=カタキ」に対して
復讐心や無力感に気を取られずに
まず「なぜ許せないのかの根本的な気付きを得る」
ことに注意を向ける必要があると示しています。
(許せないものはここで無理に許さなくても大丈夫です)
愛されたかったのに、さんざんに裏切られたのなら
恨みや悲しみや絶望感に没頭するより
新しい愛(新しい朝)をまた探したほうがいいのだと
気付くことができた人は
自然の回復(目覚め)を待って、再出発します。
遠回りするかもですが、運命のパートナーが待っている場所に
辿り着けるといいですね(*^_^*)
元気に進んでいた人は、とりあえず
狼にお尻をかじられる前にルート変更(迂回)して
違うルートを探しましょう(*_ _)
人生のお正月を迎えるのに、今は遠回りしたほうがよさそうです。
別の見方をしますと、月は黄泉の入り口であり
神の住まう世界でもあります。
自分の人生の残り時間(老後の問題)を指すかもしれません。
諸行無常の世界観を奥深くで感じているのかもしれません。
質問の内容次第では、遺産ややり残しの問題を暗示します。
宗教問題や来世への関わり(関心)なども暗示したり…。
「こんな世界、もうどうでもいいや!」みたいな自殺願望など…。
でも道はまだ続きそうですから、あわてて現実逃避したりせず
まずは現世の問題をしっかりやり遂げましょう。
回り道には意外な発見があったりして
案外、楽しいかもしれませんよ(*^_^*)
このように様々な状況の人を様々な意味で照らすカードですが
共通しているのは、太陽(自然の摂理や宿命)への道が
確実に暗示されている点です。
そこは、あったかいコタツに蜜柑の山があって
お笑い番組が流れる、まるでお正月のような世界。
自分の運命、宿命、目標、戦果などに関して
はっきりと現実が反映される時期に入って行きます。