大アルカナの意味 ⑭節制
「⑭節制」これもキリスト教的な図柄に変更された
もったいないカードだなぁと思います。
天使のような羽を持ったものがあったり
手に聖杯を持っていたり
名前も「節制」なんて、いかにもカソリック的な内容を
含ませたり…ずいぶん「いじくられた」なぁと思います。
なぜそう言えるのかというと
自然的な背景のカードなのにも関わらず
聖杯から聖杯へと注がれる水は
まっすぐに落下しておらず、実に不自然に
横向きにたわんでいるからです。
どう見ても「糸まき」ですよね、これ(笑)
モーネル的には、このカードは
「節度や忍耐強さ」を示すのではなく
前から述べている「租・庸・調」のうちの
「調→織物や特産品」を納税することを
選んだ人の姿じゃないかな~?と思うのです。
「天使の羽」は織りあがった布をかけてある背景であり
「聖杯」は機織り機に通す糸巻きだと思います。
出来上がるものは、綺麗な模様の絨毯かもしれないし
質の良い絹織物かもしれません。
「調」の強みは、天候や家庭の事情に左右されにくく
犠牲者もなく安定して納税できるところです。
手慣れてくれば、貯蓄さえできるかもしれません。
一番スマートな方法を選択した人であり
一番すんなりと納税システムに順応した人です。
(賢い素直さ、という解釈もうなずけます)
もとは「納税に備え、日常的に少しずつ機織りする女性」
良妻賢母型の人物を描いたカードだったように感じます。
セルフコントロールとか忍耐強さという解釈は
ちょっとキリスト教的な意味を強くとりすぎて
本来の意味とズレた解釈になっているような気がします。
編み物や手芸などを趣味にしている方には
よくお分かりいただけると思うのですが
ペルシャ絨毯のようなものを、家事の合間に
少しずつ織り上げているとすれば
この人の頭の中には「完成図」が先になければなりません。
そして、その通りになるように、手抜きをせず
1本1本丁寧に横糸を通していくのです。
育児にもそういう面がありますね。
その時その時で子供のご機嫌をとるばかりではダメで
先にある程度の「成人になった時」の完成図をもって
柔らかく、様々な色の糸をうまく組み立てて
丁寧にチェックしながら織り上げていくもの…。
考えも何もなく、乱雑でギチギチに織られた絨毯なんて
重いわ、模様はわけわからんわで
とても値のつくものには換算できません。
育児や人間関係で悩む方に出やすいカードです。
これが出たら、気分や状況に流されない
「柔らかな強さ」が必要な時なのかなと思います。
けして「私さえ我慢すれば…」みたいな
窮屈な意味合いの、冴えないカードではないのです。
むしろ逆で、きちんとした目標を持ち
様々な知恵や手段をきちんと使って
もう少しだけ主体的な姿勢で対峙すべきだという
アドバイスのような気がします。
勢いで圧すとか、YESマンになるとか
様子を見ようとかの姿勢はダメな気がします。
その部分に注目してデッキを読み込むと
恋愛占いなどで出たときも
自分の状況をこのカードと対比してみれば
自分のやっていることの意味合いがどういうものか
ハッキリと認識できそうです。
お料理やお掃除などの家事も同じで
先にカレーを作る!と決めていないと
お湯を沸かすタイミングも何も滅茶苦茶になりますね。
逆に、心得た人の手抜きしない家庭料理は
そこらのレストランの何倍も美味しかったりします。
何より、安くて心もあったまる!(笑)
デッキ次第ですが、恋愛占いとかでは
手作りのプレゼントや家事能力を披露して
好感度が上がったりするかもしれません。
就活なんかでも、自作の作品を持っていく(画像でも)とか。
ダメなデッキだと…無茶な感じですね。
口ばかりで何もできない人だと思われている可能性も…。
そのままにしておくと「⑮悪魔」「⑯塔」のような
危険な方向に行っちゃいますので、ぜひ方向転換を。
チョコチョコと楽しい小さな緊張感を保って
納税やら副収入やらを達成した人は
「⑰星」の世界に辿り着きます。
今年も1年、おつかれ様でした。って感じです。
良妻賢母のあなたの目には
命の泉にきらめく星の光は家族や自分の笑顔や
楽しいであろう未来(まだ見ぬ孫の顔など)
自分の能力への充足感として映ります。
疲労と引き換えに、自信を持てた安息感でもあり…。
たくさん良質な織物を作った人は、充分に得た収入で
趣味や美容などの「自分へのご褒美」を
楽しめる状態かもしれませんね(*^_^*)
普段から節約していた人は、海外旅行なども楽しめそうです。
とても充実した、社会人・家庭人のカードだと思います。