大アルカナの意味 ⑬死神
死神の足元には、人間の手足や頭がバラバラになってて
不気味な図柄のカードになっているのですが
モーネル的には単なる「農夫の収穫」というのが
本来の図柄だったんじゃないかなぁと思う節もあります。
いかにも農村風のコートと鎌ですし、田畑にいるし。
なので、このカードを見る時、不謹慎?にも
吉幾三さんの、あの名曲が頭をよぎってしまいます。
TVもラジオもないっていう、あの楽しいメロディ(笑)
💀地平線の向こうに2本の柱の間から朝日が見えるもの
💀不気味さを強調するように、闇夜に浮かぶ三日月を描いたもの
💀生命の薔薇の旗を持ち、騎士のように白馬に乗っているもの
なんかも~、ま~、みんな色々とアレンジしちゃったのね~
あらら~(;´∀`)って感じですが
そうしたくなるのもわかるほどミステリアスな刺激に満ちた
1枚であることは確かです。
もし私が描くとしたら、痩せた老農夫をまだ幼い孫たちが
お手伝いしている畑に狼が来る図柄にするかなぁ…。
もしくは戦国時代の合戦場(だいたい田畑)の夜に
生存者や遺品回収などをする野盗や鳥たちを描くと思います。
さて、意味について。
「⑪正義」で納税を迫られたあなたは租庸調の中から
「租→コメや農産品」で納税することを決めたようです。
丹精込めた、先祖代々の土地。
可愛い子供たちやアヒルまで手伝って、みんなで作った
大切な実りが、ここで他人のものになってしまうんですよね~。
自己愛(我儘な願望)でご意見無用に生きてきた人ほど
自分に付随するものをたくさん失うことになるでしょう。
納税なんて、先にわかっていることなのに
なぜ「不幸」のような形で出てくるのかというと
ちゃんと働いたり準備していなかったからです。
もし飢饉であれば、「調や傭」を選択すべきだったのに
その方向に行かなかったばかりに
食事にもこと欠くような生活になってしまいました…。
飢えないために、前もってたくさん働いておけば…
釣りや狩りや織物を覚えていれば…
無駄な犠牲を払わずにすんだのではないでしょうか。
確かに、「⑬死神」は停電みたいにドーンと暗い世界を
突然に連れてくることが多いのですが
それは日頃の生活習慣や考え方などにあった
間違いや病巣をガツンと修正するためのリセットなんですよね~。
簡単に言いますと、不摂生だった人や
周囲に無理をゴリ押ししていた人
欠点や無茶の多かった人ほど、重く出る感じです。
逆に言えば、占ってみて「⑬死神」が出てしまったら
それまでのご自身の考え方や言動には無理がなかったか
もう一度ふりかえるチャンスです。
重い病の人にはちょっと朗報がある場合もあります。
入院先のベッドから、自宅へと「移動」させられるというような
出方をするケースもなかなか多いような。
デッキ次第では、「亡くなってお棺に移送される」
という場合もあることはあるんですが、かなり稀です。
このカードは本来、「死」ではなく
「生と死」を表現している要素が図柄にもたくさんあるので
ネガティブ要素だけが出るとは考えにくいのです。
次の「生」への転機そのものと思っていいと思います。
転機だけに「生と死の間」で揺れているものがある感じです。
恋愛占いなどで「しばらく連絡をやめてみましょう」
という解説が多いですが、モーネル的には
「放っておいて、なんか違う、楽しいことしましょ!」
という解釈になります。
デッキ次第ではありますが
「てっきり連絡してくると思い込んでいたお相手」が
3日も放置されたら大慌てで謝罪の電話をかけてくる…
なんてこともありますから(笑)
このへん、ちょっと「⓪愚者」の逆位置と似てますね~。
ちょっとわかりにくい例えだったと思いますが
「⑩運命の輪」の、Aから☆へ、と変化するような
かけはなれた感じの転機ではなくて
連続性のある、1から3へ、という転機です。
小娘からしっかり妻へ。
しっかり妻から、肝っ玉母さんへ。
弱虫から、強さを持った優しい人へ。
そういう変化を求められている時だと思ってください。
このカードは「コメ(お金)の上納」を意味しているので
なので、悪いデッキに逆位置で出てきた場合
とにかく目先のイロ・カネの条件を最優先にするような
愚にもつかない人の姿を表現します。
ここでも自他のそういう暗部に気づかないと
なんともゲンキンな人々は、さらに無茶を重ねたあげく
最後は「人生の意味すらも見失ってしまう危険性」を示唆します。
恋愛では、やけぼっくいに火が付く、という解釈もありますが
それはデッキに「⑳審判」「⑲太陽」「㉑世界」とかが
ばーんと揃った時のお話じゃないかと…。
腐ったデッキなら先のない腐れ縁を示します。
体の内外の切除手術(実りの刈り取り)が終わった直後は
心身ともにヘトヘト、おなかもペコペコだとは思いますが
納税は終わったわけですから
そこから「⑰星」の世界に入り、簡素ながらも
安息の時を迎えることになると思います。
生命の泉に映る星々は、「⑬死神」を通過した人にとって
過去の記憶として見えることだと思います。
でも、いつかきっと、あの星たちもまた
ひとつの太陽なんだと気付いた時
目の前にある、一番近くの太陽のあたたかさを
顔をあげて、やっと実感できるようになりそうです。
病める日も、健やかなる日も
陽はまた昇り、沈み、そして年は無機質に過ぎてゆきます。
嘆き暮らしても一生
笑って暮らしても一生
私のこの人生が終わるまでに
本当に自分が守りたいものは何だろう?
命をかけてもいいものは何だろう?
それが見つからないのはどうしてだろう…?
この部分にフィーチャーしてみれば
喪失感や無力感に囚われた人々を解放するカードだとわかります。
生の実感なんて、ナマケモノには無縁ですよ、と。
フラれるにしたって、自分の最高の思いやりを示してこそ
ふんぎりがつくってものです。
だって、もうそれって、本物の愛情を失っている(フラれてる)のは
相手のほうだもの。
特にお若い独身の方でしたら、薔薇の大鎌でザクっとやっちゃって
さっさと次へいっちゃうのもおすすめです(*^_^*)