大アルカナの意味 ⑩運命の輪
「運命の輪」は、キリスト教的に改編された図柄もあれば
「運命の3女神」のような図柄もありますね。
ちなみに3女神になったのは後の話で
元は一人の命(寿命)の女神でした。
モーネルは3女神が一番イメージしやすい気がします。
思い込みと実際には違っていた
自分の姿、社会の姿、事象の流れ…
様々な気付きを経て決意をした「⑨隠者」は
不思議な因縁の意図(糸)にひきよせられて
再び世に出る決心をします。
しかし、それは周囲や自分の欲求の勢いに流された
過去の自分とは「別人」としての社会復帰です。
自分や他人の期待や価値観に振り回される人から
何者にも振り回されない人への変化を模索している
その最中の「⑨隠者」は
さながら「サナギ」の状態と言えるでしょう。
それが「⑩運命の輪」で、「蝶」へと羽化するのです。
(蝶に限らず、多くの生物は幼生から「変態」します)
何かに酔うようにつき動かされていた闘士(幼生)から
隠者(サナギ)への変容は
ほかの誰でもない自分自身がシラフのようになって
「もうバカやってる場合じゃないな…。」
と、ふと実感した自分を認知することで始まります。
ところが「羽化」への変容は
再び外側からもたらされるのです。
しかし、それは表面上「誰か」という人間を通して
不思議な「何か」が働きかけるものであって
「人間の干渉による影響」ではありません。
「⑩運命の輪」はそういう意味では
「①魔術師」とよく似た意味を持っています。
子供と大人くらい、意識や覚悟や経験の違いは明確ですが。
「⑩運命の輪」が良いデッキで出たとき
その変態のキッカケをしっかりキャッチできれば
次の「⑪正義」の示す、ワンランク上の大人の世界へと
堂々と参加できることになります。
シンデレラのお話じゃないですが
分かりやすく言うと、だいたいあんな感じで。
悪いデッキで出たときは…あんまり言いたくないのですが
「①魔術師~⑧」の、短期的な試行錯誤の世界に
ちょっと逆戻りしちゃうかもしれません。
どこに飛ばされるかは「⑩運命の輪」だけにランダムですが
よくデッキを読み込めば、だいたいの目安はつくと思います。
一緒に出たカード次第では「⑨隠者」の世界に一歩後退して
もう一度、練り直しをする…という意味になるかも。
しかし吉凶いずれにせよ「春風を待つサナギのあなた」
という意味はまったく変わりません。
1番大切なのはタイミングではなく(それは2番目の要素)
押しも押されもせぬ「自覚」です。
「限りある命のあなた…これから何になる(変身する)の?」
と、このカードは質問者に問いかけています。
イメチェンがラッキー♪とか、フィーリングが合うとか
ビビビとくるとか入門書にはよく書いてありますが
そういうお手軽な意味じゃないと思います。
もう幼生やサナギのままではいられませんよ、とか
自分の天分をきちんと認識できてますか?とか
「もうすぐ春ですよ!準備OK?」とか
そういう「最後の確認」みたいな問いかけだと思います。
自分が何者で、どう生きるのかを決める…
大人の覚悟で何かを選択するということは、
同時に何かを捨てるということでもあります。
意味のない付き合い、腐れ縁、趣味、悪い癖…
似合わないファッション、不必要な贅沢、空虚な信念…
それらを潔く捨てることが成功の秘訣でもあります。
抜け殻をひきずったまま飛ぶ蝶はいませんもんね~。
まさに「計画し、紡ぎ、断ち切る」
運命の3女神のカードらしいですよね~(;´∀`)
命は有限である、選択(天分)も有限である。
という示唆に富んでいます。
「可能性は無限だよね☆」みたいな理想論を
見事にふっとばすカードでもあります。
RPGの最初に王様からもらった、借り物の装備ではなく
ガンガン戦ってゲットした自前の最高装備で(戦士レベルも)
さらなるモンスターが待ち受ける
新大陸に乗り込む勇者チームのような流れに入ります(笑)
「⑩運命の輪」はインターネット的という解釈も
多く見かけますが、モーネルはRPGのような気がしますw
村や国の事件に巻き込まれながら
勇者チームの能力が高まっていくあの感じ。
なので、誰かの相談や
気の合わない相手とのふとした会話にも
ちょっと注意を払っておいてほしい時期です。
自分のちょっとした疑問・不足感・違和感などにも…。
いつもと違う方向へ冒険してみたりね。
気になるビルに入ってみたり、装備を新調してみたり。
意外な発見や発展があるかもしれません(*^_^*)
そして、「①~⑩」までの流れで
もう個人の試行錯誤の時期は終了です。
ここからは登場人物が増え、事情が複雑化し
敵も強くなって、チーム戦も始まります。
ひょんなお呼びで村々を救っているうちに
すてきな仲間が現れるといいですね(*´▽`*)
自分とは違うタイプの仲間とか、頼もしそうですね♪
「⑪正義」の剣は、誰の手にある剣になるのか…?
ここから厳しくも自由な切磋琢磨の世界に入ります。