大アルカナの意味 ⑧闘士(力)
「⑧闘士(力)」のカードは、ライオンをいなす乙女の姿で
よく描かれていますが、たぶんこれは
ローマ時代あたりに改編された姿なのかな~と予想しております。
「殺し合いはいけません、愛の鎖(絆)で…」
みたいな、キリスト教の都合で、改編されてるなぁと。
なぜなら、知恵や根気のある女性として解釈してしまうと
「前後のカードとまったく意味が繋がらないので。
仮に、ですが、ローマ時代に
キリスト教的な形に改編されたと考えた場合
本来は何だったのかな?となります。
モーネル的には「コロッセウムの勇者(闘士)」だと思います。
実際、コロッセウムでは、ライオンやジャガーなどの猛獣や
鍛え抜かれた戦士たちとの死闘が何度もあったそうです。
もしそうだとすると「⑦戦車」からの意味が繋がってきますね。
いくつもの戦いを経験して一人前になった戦士が有名になり
今度は「上司や民衆かから望まれて」ルーキーではなくプロとして
また別のところでその実力を披露する
その花舞台がコロセウムだったのだと思います。
(ほかにも色んな形の決闘はありましたが)
いわゆる、働き盛りの人。
周囲から何かを期待されている人。
乙女の花冠は、本当は月桂樹の冠だったのかな~
乙女の衣装は、上級ローマ兵の正装みたいだな~
とか思いながらこのカードを見てみると
ちょっと味が変わって見えると思います。
ここで大事なのは、誰かに認められる(見せつける)ことが
できるほどの実力のありやなしや
ピンチを乗り越えられるほどの底力のありやなしや
であって、「知恵」だの「努力」だのという
お手軽な内容ではないと思います。
むしろ、ここで問われているのは
数々の経験の上に生まれた
「胆力」「集中力」「冷静な観察力」じゃないかな~?
装備・鍛錬に抜かりはないか?
地面はぬかるんでいないか?
相手は気が立って、一気に襲ってくる様子だろうか?
相手の弱点はどこか。勝つ為に必要な作戦は何か…。
さらに言えば、何のために私は戦うのか…?
そういうことに自信やゆるがぬ答えがあるなら
腰を据えて戦ってみるのもいいのではないでしょうか。
デッキの内容によりますが…。
しかし、不安や曖昧な要素を示すデッキだったら
相手のほうが一枚上で歯が立たない、先手をとられている、
などの状態が読み取れるかもしれません。
このままでは苦多くして、勝ち目なし、みたいな。
意味のない誰かの戦いで得をするのは
不満やヒマを持て余した愚衆だけです。
このカードは「覚悟を決めろ、さもなくば火傷するぞ」
もしくは「強力なライバルがいる、実力は相手が上」
ということを暗示している…
ちょっと危なっかしいカードでもあります。
ライバルがいる恋占いでこのカードが
あまりよくないデッキに出ちゃったときは
しばらく時間を空けて状況が変わってからのアプローチでないと
ちょーっと難しいような気がします。
デッキに「⑦戦車」などが出ていたら特に…出遅れ気味です。
逆に、良いデッキだったら、しっかり下準備して
ここ一番でズバッ!!と大胆に切り込むといいかも。
特に「運命の輪」が要所に出ていたら
ピンチをチャンスに変えることも期待できそうです。
ご本人の本気度次第ですが…。
ライバル優勢の時期が終わるのを待ってる間に
こっちもしっかりスキルUpしましょう。
もちろん自分に合った方向で。
闘士には、自分に合った武器が一番です。
(相手のニーズも、占星術やデッキで見て参考にしてください)
戦いというものは、とても勇気も胆力もいります。
多少のケガでは動揺もしないような。
でも乗り越えたら戦利品がいただけるのではないでしょうか。
デッキ次第で、戦利品があったりなかったり…ですが。
ですが、決着がつく前に
「誰かに望まれてそこに行くのが自分にとって有意義かどうか」
が問われる時期(事態)がやってきます。
いわゆる「ピンチ」です。
そこで何を得るのでしょう?
誰のためにやるのでしょう?
苦労して戦う価値は本当にあるのかしら?
動機や勇気ではなく、自分の本音(答え)に
ダイレクトに迫るカードですね~。
闘士はこの後、勝利しようがしまいが
コロセウムの中の狭い世界からの「引退」を決断します。
そして一人、広い別の場所に旅立って
自分や社会を相対的に見つめ直す生活に入ります。
様々な経験やノウハウや獲得品、さらには苦しい本音や、
楽しかった記憶が詰まった「記憶の本(日記)」を抱いて。
「⑧闘士」の行きつく先
それが「⑨隠者」のカードの世界です。
隠者の持つ「書物」は、経典や文学書の類ではなさそうです。
だからこっそり、胸に抱いているのです。
経典や学問書の類であれば、「②女教皇」のように
もっと堂々と描かれていると思いますし。
隠し持たれているのは、プライヴェートなものだから?
誰にでもわかる内容(使える内容)の本だから?
さて、意味するものはいったいなんでしょうか。