大アルカナの意味 ⑮悪魔
これもずいぶんハッキリした形で
キリスト教風に改変されたカードだなぁと思います。
モーネル的には、悪魔が椅子に座っていること自体
なんか違和感があります。
悪魔(ケダモノという意味も持つ)って椅子に座るかな?
な~んかヘンじゃない?って。
そう仮定してカードを眺めていると
「奴隷売買」のカードにしか見えないんですよね。
「邪教崇拝者」でもいいんですけど、それだと
やっぱりキリスト教な香りが強い解釈になっちゃうので
私はあんまり重要視しません。
「⑪正義」から要求された、大人の責任を
「⑫吊るし人」 「⑬死神」 「⑭節制」
という3つの方法でみんななんとか頑張るのですが
「⑮悪魔」 「⑯塔」 の2つの方法で
責任(納税)逃れをしようとした人は
この2枚のカードのどちらかを選択します。
その結果、「⑪正義」のカードによって裁かれ
未来まで縛られてしまいました。(「⑱月」に到着します)
残酷なペナルティの始まりです。
「⑮悪魔」は、「⑪正義」に対し
根本的な部分から逆らうことで、責任を回避しようとします。
しかし前にも書いたように
「⑪正義」は集合知の力であり「勝ってはいけない相手」ですから
勝敗は一方的。即、落着します。
捕まるか、国も家もすべて捨てて
他国かアングラ組織の中に逃げるしかありません。
財産を差し止められたり、犯罪者扱いされたうえ
罰として奴隷にされたり、犯罪に巻き込まれたり
まぁひどい目にあいます。
いずれにせよ「体で払え!」ってことなのでしょうね~。
椅子は何らかの権限を持っていることを表現しますので
悪魔は奴隷商人なんかではなくて
あの悪魔の仮面の下は「⑪正義」の部下かもしれません。
しかし、思わぬ異常事態に怯えた奴隷たちに
それが分かっているでしょうか?
一見、ただひどい目にあっている人のようですが
これは当然の罰をうけたり
その罰からも逃れたりした人たちの姿なのです。
「⑮悪魔」の意味は、簡単に言えば
何かの理由で道をふみ外してしまった大人が陥る
異常事態のことです。
選択を誤った、信じるものを間違えた、それも同じです。
ゲーム風に言うと、ステータス異常の状態。
今のその人には、正常な判断力はないと思って
良いような気がします。
不倫、脱税、セクハラ、モラハラ、変態行為、悪事もろもろ…
中にはヘンテコな宗教にドはまりしてみたり
悪い集団に入ったりと。
逃げなかった人たちはキツイ罰を受ける時です。
死なない程度に食事を与えられながら…。
動ける程度に殴られながら…。
絶賛不倫中の人の頭の中を、客観的に絵で表現したら
こんな感じになるだろうと思います;
憑りつかれたみたいに、へんな妄想で頭がいっぱいになり
誰の忠告も届かない、何度でも約束を破り
言うとこも気分もコロコロと病的なほどに変化し
可愛い子供たちまで平気で裏切って
まったく悪びれない、あの感じ…((+_+))
ステータス異常だから、しょうがないんですけど。
悪魔が「おまえもうツマンネ」って捨ててくれるまで
この人は自分から外の世界には行けないようです。
正位置だとそれが強く出て、
逆位置だとそれが弱く出る感じです。
このカードは何の占いで出たとしても
良い意味になるカードではありません。
恋愛なら、いわゆる悪縁や体目当て、変態行為
結婚なら、不倫や奴隷扱い
仕事なら、いわゆるブラック企業
病気なら、不摂生やインチキ健康法に頼って悪化
宗教なら、問題外の似非カルト
親子や身内関係なら、虐待に似た環境
…みたいな感じですね。
「奴隷売買」のカードですから、まともに人間扱いされません。
ろくでもないです。
この人は悪魔に支配されているうちに
主体性や現実をどんどん見失っていくし
心身ともにかなり病むので、記憶もねじ曲がって
気力もなくなっていきます。
何かの拍子にふと目を覚ましたとしても
判断力を完全に回復させるのには
まだ時間がかかるようです。
痛い目をみて、目が覚めつつある人は
悪魔から這う這うの体でなんとか逃げ出して
「⑱月」の世界へ行きます。
反省や後悔の悲しみの中で
自分の人生が残りわずかであることを感じていて
そこから再び、まっとうな現実感覚が復活しそうです。
ぜーんぜん目が覚めない居直りタイプの人は
周囲から見ると突然じゃなくて当然なんですが、
ある日突然「⑯塔」の世界に飛ばされて
いや~もう、あるもの全部を失うかも。
親兄弟、家庭、子供、仕事、お金、仲間、居場所…とか。
残るのは、瓦礫(がれき)の山のみ。
前者と後者では、模範囚と死刑囚くらい違います。
確かに古今東西、大人には色んな自由と権利がありましたが
その中には「愚かになる自由」も
少なからず含まれていることを
きちんと認識しなければいけませんね(;´∀`)
大人の失敗は、だいたい洒落にならないってことも…。
さて、次の「⑯塔」までで
納税の方法と賞罰の流れはおしまいです。
でも実は、自立した大人の実生活で生じる(強いられる)
たくさんの「義務」や「忍耐」とどう向き合って生きるか
というのをわかりやすく「納税」と表現したわけです。
「⑪~⑰」への一連の流れから
ここまでの説明で「労働や煩わしいこと」に対する
ご自分や周囲の姿勢がどんなものだったか
デッキを見て色々と考えてほしいなぁと…。
「⑩運命の輪」で決めた自己実現の夢は
ここまでをきちんと受け止められた人だけに
大きな成果としてもたらされるのだと思います。
というわけで、次の「⑯塔」にいる死刑囚のお話は
ここでちょっとしちゃったので
簡単になればいいなと思います。